1.BCAAとは何モノ?
2.BCAAがドーピングにならないのはなぜだろう?
3.まとめ
さっそくですが、問題!!
⒈BCAAとは?
⒉BCAAってどんな効果なの?
⒊BCAAの摂取タイミングは?
この3つの質問に答えられましたか?
おそらく、効果は運動した身体に効くもの!タイミングは、練習後か試合前とか、ざっくりしたイメージの方が多いのではないでしょうか?
その割には、良く飲んでいる姿を見たり、スポーツ店で売られていたりする所を見たことありませんか??
先に簡単に結論を述べると、大きく認識は間違っていません。
ただ、折角飲むのであればその効果を理解し、『BCAAとは〜』『BCAAの効果は〜』『BCAAの摂取タイミングは〜』と言えるようになり、より効率的に摂取してみませんか?
①BCAAとは何モノ??
BCAAとは
BCAAの正体
BCAAの正体とは、バリン・ロイシン・イソロイシンという人が体内で作れないアミノ酸(必須アミノ酸)をひとまとめにした名前です。
例えてみると、以下の関係性になります。
・必須アミノ酸>BCAA>バリン
・ジャニーズ>少年隊>東山紀之
分かりづらいでしょうか?そしたら
・虹色>光の3元色>赤と考えてください。
次に話すBCAAの様々な効果とともに、BCAAが必須アミノ酸の約4割を占めることによって重要と考えてられています。
BCAAの効果
では、BCAAに期待される効果とは、一体なんなのか解説します。
※3つの効果の関係性イメージです。
まず1つ目の効果は、BCAAは筋タンパク分解を抑制します。
筋タンパク質の分解が起きるということは、言葉の通りそもそも使う為に鍛えた筋肉をエネルギーとして消費してしまうという恐ろしいこと起きるということです。
これが起きると、鍛えてより大きな筋肉を育てようと思っているのに返って減らしてしまうという事が起きかねません。(※正確には100パワーアップするハズのところ10手数料を取られ90パワーアップに留まったしまうようなことです。)
2つ目の効果は、BCAAは筋タンパク合成を促進します。
1つ目の効果と合わせて嬉しい効果です。1つ目の効果である分解の抑制は言うなれば守りの効果です。一方で、2つ目の効果である合成の促進は攻めの効果と言えます。
促進ということもあって合成をする訳ではありませんが、筋タンパクしてを作ることにより、筋肉パワーアップに貢献したり、分解される筋タンパク質の身代わりを生成したり、と効果が大きいことが分かります。
そして、3つ目の効果は、代謝を筋肉内で行うという事です。
この効果が今回解説しているBCAAの効果の中で1番注目すべき点と思います。
一般的に、アミノ酸は肝臓で代謝されます。ですが、BCAAは筋肉内で代謝されます。
代謝とは新陳代謝の略称です。新陳代謝には異化と同化という過程があります。簡単に要約すると、異化ではエネルギーを入手し、同化では分子を構成(筋肉の元を作成)します。
これがなにを意味するかと言いますと、地産地消の様な効果が生まることを意味します。つまり、運送コストがかからない為、筋肉の材料を調達することやエネルギー源としても優秀ということが分かります。
BCAAを飲むタイミング
ここまで長々と話してきましたが、結局いつ飲めば良いのかそのタイミングをご説明します。
ざっくり言いますと、『運動をして筋肉が疲労してしまう約30分前』がベストタイミングです。30分というのはBCAAを摂取して体内に取り込まれ、血中に取り込まれ全身の筋肉に行き渡るまでの時間が30分はどかかるためです。
もし毒を盛られても瞬時に死なないのと同じ理屈ですね。(もちろん即効性の毒もあるので例外はあります)
なるほど、30分前か!!
え?それいつ?ってなりますよね。
例えばになりますが、
アップをして本メニューに入る前や、筋トレを始める少し前等が目安となります。
繰り返しになりますが、筋肉が分解される時にBCAAは輝きます。
活躍の場をしっかり意識して飲んでやってください。
②BCAAがドーピングにならないのはなぜだろう?
しかし、BCAAがこれだけエネルギー源となるならば、「ドーピングにならないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません、、、
このことについて考える前に、そもそも「ドーピング」とはなんなの?について考えていきましょう!
ドーピングとは
World Anti-Doping Agency(WADA)が発行し、公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構が採用している『World Anti-Doping Code(世界アンチ・ドーピング規程)』には、ドーピングに該当する物質を次のように定めています。
[以下転載]
4.3 禁止表 に物質及び方法を掲げる際の判断基準
WADA は、禁止表に物質又は方法を掲げることの是非を判断する際に、次に掲げる判断基準を検討するものとする。
4.3.1 物質又は方法が次に掲げる 3 つの要件のうちいずれか 2 つの要件を充足す ると、WADA がその単独の裁量により判断した場合、その物質又は方法に ついて禁止表に掲げることが検討される。
4.3.1.1 当該物質又は方法が、それ自体又は他の物質若しくは方法と 組み合わされることにより競技力を向上させ、又は、向上させうるという医学的その他の科学的証拠、薬理効果又は経験 が存在すること。
4.3.1.2 当該物質又は方法の使用が競技者に対して健康上の危険性を 及ぼす、又は、及ぼしうるという医学的その他の科学的証拠、 薬理効果又は経験が存在すること。
4.3.1.3 当該物質又は方法の使用が本規程の序論部分にいうスポーツの精神に反するとWADA が判断していること。
[第 4.3.1.1 項の解説:本項は、単独で使用すること自体は禁止されないが、他の特定の物質と組み合わせて使用することが禁止される物質の存在を想定している。他の物質と組み合わされる場合にのみ競技力を向上させる能力があることを理由として禁止表に追加される物質は、禁止表にかかる旨が注記され、かつ、組み合わせの対象となる双方の物質に関する証拠が存在する場合にのみ禁止されるものとする。]
4.3.2 当該物質又は方法によって他の禁止物質又は禁止方法の使用が隠蔽される可能性があるという医学的その他の科学的証拠、薬理効果又は経験が存在 するとWADA が判断した場合には、その物質又は方法も禁止表に掲げられるものとする。
[第 4.3.2 項の解説:毎年の手続の一部として、すべての署名当事者、各国政府その他の利害関係人は、禁止表の内容について WADA に提案する機会が与えられる。]
4.3.3 禁止表に掲げられる禁止物質及び禁止方法、禁止表の区分への物質の分類、 並びに常に若しくは競技会(時)のみにおいて禁止される物質の分類に関するWADA の判断は終局的なものであり、当該物質及び方法が隠蔽薬では ないこと、又は、競技力向上効果がなく、健康被害を及ぼさず、若しくは スポーツの精神に反するおそれがないことを根拠に競技者又はその他の人 が異議を唱えることはできないものとする。
すごく簡単にまとめると、ドーピングになってしまう物質とは、競技力の向上や健康への害が科学的に証拠がある物質ということです。
あれれ〜おっかし〜ぞぉ〜?
気づいた方はいらっしゃると思います。
”健康への害が無いことは良いとして、競技力の向上もダメということは、BCAAの効果は競技力の向上に繋がらないということなのか?“
そうなんです。BCAAは「筋肉のパワーの上限を引き上げる」ものではなく、「筋肉の破壊を防ぐ」と言うものでしかないのです。なのでドーピングには引っかかりません。
そしてこの事実は同時に、BCAAを飲んだからパフォーマンスの最大値が上がるわけではない、と言うことも同時に意味しています。パフォーマンスの最大値を引き上げるには、日々の厳しい練習を乗り越えることでしか達成することはできません。そのことを忘れないでおいてください!
まとめ
BCAAは、スポーツをする人にとって心強い味方です。
しかし、ドーピング(健康を害するもの・競技力の向上になるもの)に該当しないだけあって、それ単体では効果が出るという物ではありません。
日ごろの努力の積み重ねが裏切るようなものにならないよう補助してくれる仲間というのが正しい認識です。
BCAAの正しい効果を意識し、摂取することでより効率的に体を鍛えて競技力を向上させていきましょう!!
まとめ
・BCAAは筋肉の破壊を抑制する
・BCAAはエネルギー源にもなる
・ドーピングとは「競技力の向上や健康への害が科学的にに根拠がある物質」の利用を指す
・BCAAを利用したからといってパフォーマンスの最大値が向上するわけではない
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