短距離

砂浜練習の意味とは

今回は、砂浜練習の意味とは?と言うトピックについて話していきたいと思っています!砂浜練習を皆さんはやったことがあるでしょうか?砂浜練習とは、文字通り、トラックや土、コンクリートなどではなく、柔らかい砂浜の上で走る練習のことです。これを行うことで様々な効用があると言われています。

 しかし、皆さん。砂浜の効用と言うものを的確に認識している人たちはどのくらいいらっしゃいますでしょうか?分かると思ったあなたも、答え合わせのつもりでぜひ読んでみてもらえると嬉しいです!

目次
・1.砂浜と普通の地面との違い
  1-1.反発が少ない
      1-2.摩擦が少ない
      1-3.接地が安定しない
・2.砂浜練習の効果
  2-1.練習効率が高い
      2-2.関節、筋肉などの身体的負担が小さい
      2-3.走りの技術を向上させることができる

砂浜と普通の地面との違い

それでは、砂浜練習の効用をみていく前に、砂浜と普通の地面との違いについて触れていこうと思います!皆さんもご存知の通り、砂浜はとても柔らかいです。地面が柔らかいことで、走る際に様々な影響を与えます。今回ここでは、砂浜が走りに与える影響を3つ上げていこうと思います!

1-1.反発が少ない

 砂浜は他の土や地面と比べて、乾燥しており、流動性も高いため力を加えると変形しやすいという特徴があります。地面がこの状態だと、走動作の中で、地面に脚を接地した際、地面からの反力が弱くなってしまいます。なぜなら、先ほども言ったように。接地時に砂浜が簡単に変形してしまい、接地時の衝撃をうまく吸収してしまうからです。(陸上選手のパワーポジション、軸ずくりと同じ原理ですね!接地時に関節を固め、姿勢を維持できるほど強い反力を得られますが、姿勢が崩れてしまう人は衝撃を吸収してしまい、うまく反発を得ることができません。)

 このような状態で走ると、どうなるのでしょうか。答えはシンプルで、走ってもうまく走ることができなくなるでしょう。なぜなら、人間は走る際に、接地時の反発、その力を前に変換するための股関節の進展動作によって進むと考えられているからです。(反発と進展の記事はこちら!)つまり砂浜では、いつも以上に地面の反発を効率よく前方向に変換していく技術が求められます。

 また、この状態になると、うまく地面から反発をもらって走ることが難しくなるため、足首や膝などで反発の他に地面を引っ掻いたり、接地後に強く地面を蹴り込む動作を使って前に進もうとする人たちが出てきます。しかし、このような走り方をする人たちにも、砂浜は甘くありません。

1-2.摩擦が少ない

 反発がなくても、膝や足首を使えば前に進めるだろう!とがむしゃらに走る選手も多く見受けられます。しかし、砂浜はそんなことで走れるほど甘くはありません。(笑)

 砂浜は、先ほど言ったように変形しやすいという特徴を持っています。すなわち、砂浜を引っかこうとしたり、膝を使って地面を蹴り込もうとした時も同様に変形します。変形するということは、うまくそこには力を加えることができず、反作用も少なくなってしまいます。すなわち、実質的には摩擦が少ないということです。地面を蹴ろうとしたり、足首を使って引っかこうとすると、足が滑り、砂が巻き上がり、転がってしまうでしょう。言い換えると、砂浜で走る場合、ごまかしが効かないという言い方もできます。膝関節や足首関節に頼らず、地面からの反発を効率よく受け取ること、股関節の進展を上手に使うことによって、初めて砂浜でパフォーマンスが発揮できることでしょう。

 とはいえ、砂浜は氷ほど滑るわけでは無いので、足首関節や膝関節を使って走りをごまかすことも、コツを掴んでくればできるかもしれません。しかし、これに対しても砂浜は容赦しません。なぜなら、砂浜での走りはエネルギー効率が悪く、走ることに体力を消耗してしまうためです。そのため、足首関節や膝関節といった関節を動かす小さな筋群(ふくらはぎ、大腿四頭筋など、他の記事で説明しています!←リンク)で走りを行うということは、極端に小さな筋肉に負荷が集中するため、60m以上の長い距離になると走ると走ることができなくなったり、足をつったりして、練習することが難しくなっていきます。詳しくは2章以降で説明します!

1-3.接地が安定しない

 次に、砂浜環境で走るのに難しいのが、「接地が安定しない」というところです。砂浜は地表が平ではなく、凸凹としています。また、接地時に地面が変形することもあり、走る際に非常に走りづらいです。そのため、接地の際に地面を捉えるテクニックが必要になってきます。このような、接地の細かい技術の会得のためにも、砂浜は一役買っていると言われています。

 しかし、凸凹している地面を走ることが、地面を捉える技術の向上に繋がっているかどうかは、正直よくわかっていないというのがShoesPicks側の見解ですね。。。(そもそも、「上手い接地および地面の捉え方」が、「凸凹な地面でも走れる走り方」であるかどうかは別問題なため、別途検証が必要かもしれませんね。。。)

2.砂浜練習の効果

ここまでは、砂浜で走ることが、トラックで走ることに比べてどのような変化があるかについて述べてきました。

 ここからは、砂浜練習を行うことによる効果について紹介していきたいと思います!!

2-1.練習効率が高い!

砂浜練習では、先述したように、2つの理由からとても走りづらいです。1つは反発を使って走ることが出来ないということ。2つは摩擦が少なく、無駄に力むと更に足が空回りしてしまうことがあります。

 このような状況下では、体の負荷というのは、通常の地面を走るのと比べて非常に大きなものになります。反発だけで走る技術に加え、その反発を水平方向に変換する変換効率の高い走りが出来ない限りは、砂浜で速く走ることが出来ません。これが出来ない選手ほど、砂浜では過酷な状況に陥ってしまいます。

 砂浜練習を行う際に重要な点は、走りのエネルギー効率が悪くなるにも関わらず、走る距離はトラックで走る距離を採用することです。(60m〜200m)こうすることによって、短時間でトラックの練習の何倍もの負荷を身体に与えることが出来ます。これはすなわち、練習の時間効率を極限まで高めることができるため、短期間で高度な追い込み練習を行うときに非常に優れた練習ができるようになるということです。(まあ、砂浜に行くために1日使ってしまうので、時間効率も何もないですが、、、笑)

2-2.関節、筋肉などの身体的負担が小さい

前節では、砂浜練習は練習効率という側面でとても優れているという話をしました。

ただ、、砂浜練習の魅力はこれだけに止まりません。それは、砂浜練習での怪我率の低さにあります。

 先ほどのように、練習効率を極めるだけであれば、必ずしも砂浜で走る必要はなく、質も量も突き詰めた練習を行えばいいです。例えば、200m×5本×2セット(200mを22秒未満で行う)などを行えば、非常に練習効率は高いのではないでしょうか。しかし、効率の高い練習には、常に怪我のリスクが付きまといます。速く走るということは、それだけ筋肉に大きな負担がかかります。速い人はなおさらです。(伸張反射を用いて走っているため。伸張反射の記事はこちら)しかしながら、砂浜練習は、反発が小さいため、伸張反射の負担を最小限に抑えることが出来ます。また、無駄な動きが出来ない(転んだり、足が空回りしてしまうため)環境に自らを矯正した状態で走ることが出来ます。これだけに止まらず膝などの関節へのダメージも砂が吸収してくれます。

 つまり、練習効率が高いにも関わらず、怪我のリスクを最小限まで抑えることができる練習方法であるということです!(砂浜にいくのが面倒、不安定な地面に足を取られ足をくじいてしまい、かえって怪我しやすくなったりなどのデメリットもあります。

2-3.走りの技術を向上させることができる

 前述しているように、砂浜は地面を捉える際に生じるエネルギーを吸収します。つまり、地面からの反発が大幅に減少します。また、足元もよく滑り安定しないため、上手に地面に力を加えて走る必要があります。よって、反発と進展理論理論(リンク貼る)の原理で行くと、走るために必要な要素が全て制限されてしまうわけです。ここで砂浜で上手に走るために必要になってくる要素は下の3つです!

 1.地面へもっとも効率よく力を伝え、反発の力を可能な限り大きくする。

 2.地面からの反発を効率よく受け取る

    3.受け取った反発を推進方向へ変換する効率を高める

 最低でもこの3つを徹底しなければ、砂浜で速く走ることは不可能です。

 何故なら、反発に頼らない走りをしようにも摩擦が効かないため誤魔化しが効かないこと、それによって反発に頼ることしか走ることが難しい、しかしながら反発で走りづらいことが原因となり、上手に走ることが出来ないからです。つまり、砂浜での走りとは、正真正銘効率のいい走りをしなくては、上手に走ることが出来ないのです。笑

 つまり、砂浜は自分の走りの技術的な側面を丸裸にする鏡とお言えるかもしれません。逆にいうと、普段の練習では速いのに、砂浜練習で速く走れない!いつも練習、試合で勝っている人に負けてしまう。という人は、伸び代があり潜在能力が高いということができるでしょう。

 皆さんいかがだったでしょうか!今回は砂浜練習をトピックに話してきました!皆さん、すでに砂浜で走りたくなってきたでしょうか!関東(特に東京都心圏)在住の選手であれば、よく砂浜練習といえば葛西臨海公園の人工干潟で行ったのではないでしょうか?旧江戸川の対岸に見えるシンデレラ城に向かって、「なんでここでこんなことしてるんだろ?」とか、「俺もあっちの夢の国に行きたい…」とか思いながら走っていたのではないでしょうか?笑

 筆者の私は少なからずそうでした。。。ほぼ満員の電車で、舞浜直前の葛葛西臨海公園駅で私しか降りなかった時は、心が折れそうでした。。笑

 しかし、そんな逆境でも、真剣に向き合えば砂浜は皆さんの強い味方です!筆者は砂浜練習が得意になってから200mのタイムが1秒近く伸びました!皆さんも、ぜひ技術会得のために砂浜練習に励んでみてはいかがでしょうか!!

 今日はShoesPicksの記事にも関わらず抽象的でふわっとしてないか?分かりづらくないか?と思った方。ご安心ください。具体的な砂浜の練習の方法、技術の会得方法、コツについては、また別の記事で解説します!楽しみにしていてください!

 それでは、またお会いしましょう!!

<砂浜の特徴>

・反発を吸収する

・滑る

・反発を上手くもらいながら走らないと進めない

・練習効率が高い

・怪我を予防しながら質の高い練習ができる

関連記事

  1. 【お尻を鍛える】 階段を使ったお尻トレーニング7選

  2. [訂正とお詫び]お家にいながら、ネットでスパイクを比較しよう!スパイク…

  3. これができれば走りが激変!トロットドリル!

  4. 「速いフォーム」と「そうでないフォーム」の見分け方

  5. 伸張反射を使えるようになるドリルその②

  6. ピッチ×ストライドはウソ!?疾走速度と接地時間との関係性について

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP